週刊雑話第173号 「白い巨塔・新旧比較」 (平成15年11月30日)
 『白い巨塔』全巻(山崎豊子/第1巻〜第5巻)をベースとして、田宮二郎の『白い巨塔』(昭和53/54年)と唐沢利昭の『白い巨塔』(平成15/16年)に出演する俳優を比較してみた。現在放映されている『白い巨塔』は多くの部分で原作と異なる箇所があり、現代風にアレンジした新しいイメージの『白い巨塔』と思った方がいいかもしれない。ここではあくまでも原作を基本にして新旧の俳優を自分なりに個人的趣味も加えて比較している。灰色部分は原作からの抜粋。「○」印は自分が追記した人物のプロフィールである。
 2004年2月7日に追加更新。
■参考ホームページ  新作『白い巨塔』 
■参考ニュース  サンケイスポーツ「田宮版白い巨塔一挙放送」

財前五郎
○浪速大学第一外科助教授。浪速大学医学部出身。財前家の養子婿。自宅は夙川の山の手。小説では妻との間に一夫(小6)と富士夫(小4)という子供が二人いる。
■五尺六寸、筋肉質のがっしりした体躯と自信に満ちた足どりで、・・・・
■その精悍なぎょろりとした眼に鋭い光を溜め、毛深い手で唇の端にくわえている煙草を・・・・
■手はゴム手袋におおわれていたが、杏子だけはその手が毛深い節太の男らしい手であることを知っていた。
■長身の逞しいからだ・・・・
■ざぶっと湯しぶきを上げて浴槽から上がり、毛深い筋肉質の体に石鹸をなすりつけてタオルを使った。みるみる毛先に真っ白な泡がたち、逞しい体が雪男のような白さにおおわれ、精悍な眼だけが、鏡の中でぎょろりと光っていた。
■・・・・は、里見の診察室にいる時とまったく異なった、ものおじするような態度で財前の前へ坐った。財前は、そんな患者の様子を横柄な表情で一瞥し、・・・・
■洋服を着ている時の精悍さがなくなり、妙に優男めいた艶めかしさが、長身の胸もとに漂っている。
■そう云いながら、財前は、自分の手紙を受け取って淋しい想いをするであろう母の姿を思いうかべると、田舎に母をおき去りにし、自分だけがぬくぬくと満ち足りているうしろめたさを覚えた。
■・・・・、肩幅の広い逞しい体躯を、仕立て下ろしの白衣で包み、大きな回転椅子にゆったりと坐り、患者を睥睨するような自信に満ちた表情で、しかも要領よく診察して行った。
■・・・・、持ち前の傲慢な性格がむくむくと頭をもたげ、馬鹿馬鹿しいという思いになりかけたが、学術会議会員に当選した時の栄誉を考えると、その馬鹿馬鹿しさも我慢できた。
○田宮二郎 − ●唐沢利昭
※財前の逞しさ、体格、毛深さ、アクの強さを考えると、やっぱり自分らの世代は旧作の田宮二郎に軍配をあげざるを得ない。手術をしている唐沢の女性的な細い指を見ると、「杏子だけはその手が毛深い節太の男らしい手であることを知っていた」のくだりが矛盾する。かといって「唐沢の財前」を完全に否定しているわけではなく、現在放映されている『白い巨塔』(新作)は時代背景が昭和40年前後の原作とかなりの部分で異なっているので、新しい「財前」を表現しようとする制作側の意図があるならば大いに適役といえる。
※しかしどう考えても財前が里見より背が低く体格で劣るのはおかしいのではないか。ということで、コンビで評価しても「田宮&山本」の方が「唐沢&江口」より原作としてはしっくりくるのである。
※やっぱり旧作をみた経験のある者からすれば「田宮二郎」のイメージが強すぎる。教授になってからオールバックにかわった唐沢もだんだんと貫禄が出てきたけどなあ。ワグナーの「タンホイザー」をバックに、唐沢がシャドウ・ピッチングならぬシャドウ・オペに入り込んでいるシーンなどは、より財前のカリスマ性を高める演出として印象に残っている。しかし、しかし、やっぱり「田宮二郎」なんやなあ。最終回を目前に控えた昭和53年12月末に猟銃自殺を遂げた彼の劇的な死が、そうさせるのかもしれない。もし田宮が今も生きていたら、フジテレビのバラエティーなどに出演して旧作の時に感じた印象が根底から覆っていたかもしれない。(2004.02.07)
財前杏子 
○財前五郎の妻。財前又一の一人娘。原作では五郎との間に2人の子供あり。
■大きすぎるほど大きな眼を伏せ、花弁のようにくびれた紅い唇を突き出した。
■だいたい、あいつは、死んだ母親の方に似て、虚栄心が強うて、大阪の下町風より、芦屋や夙川方面の山の手風が好きで、ものの云い方も、大阪弁と東京弁がまじったけったいな気どった標準語を遣いよって、一人娘やけど、わしにちっとも似てへん、まあ、あんな気取り屋でわがままな女は、・・・・
●生田悦子 − ○若林麻由美
※「花弁のようにくびれた紅い唇」で若林の勝利。生田は自分の印象では派手さにおいて若林に劣る。新作では財前の愛人の自宅に杏子が乗り込むシーンがあるが原作ではない。若林の演技は少々オーバーすぎてむしろ滑稽であるが、シリアスで暗い印象しかない旧作に比べて現代風にアレンジした新作ならではの演技といえる。
※若林が唐沢より顔が大きいのが気になるが。唐沢の顔が小さすぎるんやな。野川由美子演じる鵜飼夫人も登場する「くれない会」のシーンなどは、シリアスなドラマに吹き込んだ一陣の笑いの風。自宅のベットルームで交わされる唐沢との冷め切ったやりとりなど、「なんぼ別嬪で金があってもこんな関係になったら嫌やなあ」と思わせるに十分な演技だ。(2004.02.07)
財前又一
○堂島中町(原作)にある財前産婦人科医院の院長。私立の医専出身。
■財前は、杏子の父である財前又一のあから顔を光らせながら、大声で大阪弁をまくしたて、あっはっはっはと豪傑笑いをする海坊主のようにぬるりした大きな顔を思いうかべた。
■とても六十二歳などとは思えぬほど声に張りがあり、活気に満ちている。
■海坊主のようにぬるりとした頭を光らせながら、
■何時ものようにごぼごぼと咽喉を鳴らして番茶を飲み、・・・・
■分厚な唇から唾を飛ばし、笑いが止まらぬように大声で笑った。
●曽我廼家明蝶 − ○西田敏行
※新作に出演する多くの俳優の中で、大阪が舞台にもかかわらず数少ない大阪弁(かなり違和感があるが)をしゃべっている西田に軍配を上げたい。「大声で大阪弁をまくしたて、あっはっはっはと豪傑笑いをする海坊主のようにぬるりした大きな顔」が西田のイメージにぴったり。旧作では大阪弁はどういう扱いになっていたか忘れたが。
※西田が頭にかぶる「ずら」がずれるシーンなどは、「ずら」に対する世間の認識を陽気にカラッとしたものにかえるのではないか。「ずら」は原作にはない設定。「鵜飼教授」「ほんまに頼んまっせ」と言いながら懐から札束を出すシーンなどは、西田敏行ならではの下品で強引な演技だ。翌日の『探偵ナイトスクープ』の局長・西田はほんまにシワが多くて老けて見える。『白い巨塔』本番では塗って塗って塗りまくってることが分かる。(2004.02.07)
里見脩二
○浪速大学第一内科助教授。浪速大学医学部出身。自宅は法円坂にある住宅公団アパート(原作)。
■油気のない髪を無造作にうしろへかきあげ、蒼白い神経質な顔の中で、眼だけが厳しく澄んでいた。
■それが医長である鵜飼教授の気に入らないらしく、ことごとに第一外科の財前助教授とひき比べられ、君はどうも陰気くさくて、患者の扱いが下手だと、云われているのだったが、・・・・
■糊気が取れ、裾が皺になった診察衣を着、風に吹かれるように飄々として足を運ぶ里見の姿は、およそ国立大学の助教授とは思えぬ何か独り取り残されたような影があった。
■佐枝子の周囲に見られるような、教授や助教授になることを目的にして学問する人間の姿ではなく、純粋に学問が好きでそれに没頭している人間の素朴で、深い静謐さが、感じ取られた。
■油気のない髪を額に乱し、服装をかまわない里見は・・・・
■上本町一丁目の市電停留所で降りると、里見はまっすぐ家へ帰らず、反対の方向にある兄の病院へ向かった。停留所から歩いて十五分程の内安堂寺町通りの一角にある古びた医院が、里見の兄の家であった。(中略)そこには、京都の国立洛北大学の第二内科を追われた後も、一人の町医者として清貧に甘んじ、節を守りながら、こつこつと研究を続けている兄のたたずまいがあった。
■口を噤み、川風に髪をなぶらせながら、何処か一点を見詰めるように真っ正面に顔を向けて歩いていく里見は、何か大きな苦痛に耐えているような厳しい姿であった。
■油気のない髪を額に乱し、上背のある体をやや屈め気味にして歩き出した。
○山本學 − ●江口洋介
※あまりにも江口がかっこよすぎる。自分の江口に対する「トレンディドラマ俳優」というイメージがあまりにも強すぎるからか。傲慢な財前より里見の方が背が高く顔が大きいのが気になる。武骨なほどの「学究肌」イメージは山本が演じる方がいい。
※確かに江口はカッコええ。証人として出席すべく法廷に遅刻してきたとき、正面を向いて正々堂々と「なぜ自分は証人として出席するのか」を述べるところなどは「里見サン、かっこいい」と叫びたくなった。しかし、自分はやっぱり「山本」なんやなあ。「田宮・山本」をひとつのパックとして考えてしまうのだ。新作では今後の里見の動向が注目される。もしかして三知代と離婚して単身アメリカへ? あれほどの学究肌は独身に限る。あの大河内教授も原作では独身という設定やねんから。里見の離婚後のアメリカ行きを大いに予想したい。「学閥や教授を頂点とするヒエラルキーの中で、日本ではかくも優秀な人材が実力を発揮できずに冷や飯をくらい、自由に研究できる環境を求めてアメリカへ渡っているんだよ」というメッセージを発信できるではないか。(2004.02.07)
里見三知代
○里見の妻。原作では父は名古屋大学医学部長の羽田融。
■里見と同じように口数の少ない三知代は、・・・・
■どんなに里見の表情が暗いときでも、何があったのかといちいち聞き出すようなことをしない聡明さが、三知代にあった。取りようによっては学者の家に育った娘らしいとりすました聡明さとも、取られたが、・・・・
■質素なセーターを着て、散らかった居間を手早く取り片付け、お茶の用意をする三知代は、夫の学問を最上のものと考え、そのためにはどんな犠牲を払うことも惜しまない、忍耐強い学者の妻の姿勢が出来ていた。
■「・・・・あなたのもとへ嫁ぐ時、父は私に向かって、里見脩二に嫁ぐ限り、お前の生涯の仕事は家事と雑事だ、そして里見君は学問ひたすらに歩み、一日も早くりっぱな業績をもって教授になって貰うように尽くす、それが学者の妻の務めだと教えられて参りましたわ」
■「いや、三知代の場合は、いわゆる虚栄心とか、名誉欲で云っているのではなく、父が名古屋大学の医学部長をしているのをはじめ、親戚に大学の教授になっている者が多い一族ですから、大学に残って勉強する限りは、教授になるのが当然だというごく自然な考え方が、本来的にあるようなんです」
■「あなた、なぜご自分の将来を賭けてまで、たまたま初診をしただけの患者の遺族のために証言なさらねばならないのです? いろんなお考えもあるでしょうけれど、今、あなたにとって一番大切なことは、現在のご自分の研究を続け、医学者としてりっぱな業績をあげられることですわ、・・・・」
●上村香子 − ○水野真紀
※原作と新作が大きく異なる代表的な人物。原作ではかなり性格が暗そうなイメージ。新作の水野真紀は自分が好きな女優のひとりなので当然軍配は水野に。しかし上村もその昔、青春ドラマのヒロインとして好きだった時代もあり選択するのに苦しんだ。新作の水野はあまりに美人で明るすぎるが、旦那が江口やねんから仕方ないか。とにかく里見三知代だけは個人的趣味で水野がいい。
※段々と原作に近いイメージになってきたなあ。やっぱり夫・里見の生き方にかなり不満や疑問があったんや。原作では離婚はないが、新作では里見との離婚という展開を期待している。証言に反対して大学に残ってほしいという三知代の気持ちは当然である。あそこまでストイックに純粋さを求めるなら里見も結婚したらアカン。大河内教授を見習え。(2004.02.07)
東貞蔵 
○浪速大学医学部教授(第一外科)。東都大学医学部出身。自宅は阪急芦屋川駅北の山手の住宅街。
■窓から射し込む明るい陽ざしの中で、半ば白くなった頭髪が銀色に輝き、眉の下に動きの少ない眼をじっと見開いている東教授の姿は、停年退官を一年先にひかえた人とは思えぬ余裕と威厳に満ちた容姿であった。
■内心は人一倍小心で、石橋を叩いても渡らぬほどの臆病な性格であったが、・・・・
■また何時もの、よく云えば執拗なほどの用心深さ、悪く云えば、優柔不断な考えが頭が擡げはじめた。
●中村伸郎 − ○石坂浩二
※やっぱり石坂浩二は悪役というか憎たらしい役がいい。NHKの大河か何かで石坂が柳沢吉保を演じたとき、そのあまりの憎々しさに一時人気が下がったという。「よく云えば執拗なほどの用心深さ、悪く云えば、優柔不断な考えが・・・・」が石坂らしくていい。石坂即決の理由ひとつに、中村伸郎の顔が思い出せないこともある。どんな顔しとったかいなあ。
※今や「好々爺」となった東教授の老け方がいい。原作ではもう一度医学界へ復帰するねんけど。教授選の前、東大の教授に「あなたはいつも脇が甘い」とけなされる。彼がタクシーに乗車して去ったあと、烈火の如く怒りまくって玄関脇の植木を破壊するシーン。その異常さをみてもなお、「しっかりしてくれないと」と夫の尻を叩きまくる嫁さんが信じられん。(2004.02.07)
東政子
■・・・・東政子の顔は、とても五十を過ぎているとは信じられぬほど端麗に整い、名門出の才媛である誇りに満ちていた。
■美しい顔に、冷ややかな笑いをうかべている権高な母の顔が、佐枝子の眼に浮かんだ。
■夫の地位をわがもの顔に有する権勢欲の強い妻の顔が、そこに見え、佐枝子は母の政子に対して強い嫌悪を感じた。
○東恵美子 − ●高畑淳子
※新作高畑淳子の笑ってしまうオーバーな演技。「とても五十を過ぎているとは信じられぬほど端麗に整い」とは少しイメージが違う。かといって旧作の東恵美子がどんな演技をしていたかほとんど記憶にない。新作のめざす路線に高畑はフィットしているかもしれないが。
※「くれない会」のゴルフ大会で周囲に無視され、ひとりでゴルフスイングしている姿がよかった。ほんまに「くれない会」みたいな嫁さん等による親睦会なんてあるんやろか。もしかして今でも大阪大学医学部にあったりしてなあ。(2004.02.07)
東佐枝子
○東貞蔵の娘。原作では里見の妻三知代と聖和女学院時代のクラスメート。
■二十九歳というのに二十五、六歳にしか見えぬほっそりした小柄な体であった。
■佐枝子は涼しい一重瞼を、大きく瞠り、・・・・
■しかし、控え目でおとなしそうに見えながら、芯の強さと忍耐強い実践力をもっている佐枝子のことであるから、・・・・
■二人(里見三千代と東佐枝子)とも、どちらかといえば、友達づきあいが少なく、独りでいることが好きな性格であったが、互いに三知代となら、また佐枝子となら、たまに会って話したいというような心の交流があった。
■母の政子と正反対の淋しい一種の翳りを帯びた顔の中で、眼だけが冷ややかなほどの聡明さを持って輝いていた。
■ぬけるように白い首を、青磁色の衿もとに傾けるようにし、長い睫を伏せるようにして聴き入っている佐枝子の姿は、眩しいほどの清楚な美しさに満ちている。
■「佐枝子、お前は・・・・」 東はそう云いかけ、佐枝子の清冽な激しさに気圧されるように言葉を呑んだ。
●島田陽子 − ○矢田亜希子
※これも個人的趣味で矢田やなあ。昭和50年代の島田は清楚なイメージで女優として頂点にあった頃か。しかしその後のスキャンダルでかなりイメージダウンしたなあ。原作では佐枝子と里見は結局何もないが、新作では何かありそうな気がする。
※娘に甘そうな東教授と世間体ばかり気にして家で夫を尊敬していない東政子のと間に、佐枝子のようなしとやかなええ娘が育つやろか。自力で就職先を探し、結局関口弁護士事務所につとめることになっているがこれは原作にはない展開。現実は親のコネで一発合格ちゅうとこやろなあ。今後この佐枝子が裁判でいろいろ頑張るんですわ。楽しみやな。(2004.02.07)
鵜飼良一
○浪速大学医学部部長。第一内科教授。
■内科医には珍しく豪放磊落な彼は、斗酒なお辞せずの方で、酒を飲んでは陽気に喋り、毒舌を振るってずけずけ人の批評をしたが、・・・・
■入口の方で太い声がし、鵜飼の桜色の顔が見えた。薄くなった頭髪と、桜色の艶々しい顔が、老人病学専攻に似つかわしい風貌であった。
■豪放に声をあげて笑ったが、眼だけは笑っていなかった。
■財前又一も、負けずに大声を出して笑いながら、自分の顔によく似た国立大学医学部長という肩書きを持つこのインテリ海坊主は、相当なしたたか者だと、腹を据えた。
■肥った体をせり出すようにマイクに近づけ、・・・・
■鵜飼は肉付きのいい肥った体を乗り出すようにし、机を叩いた。
■・・・・、鵜飼は血色のいい肥満した体を皮張りの回転椅子にのけ反らせるようにして坐っていた。
○小沢栄太郎 − ●伊武雅人
※あまりに伊武の演技が「伊武的」すぎて、権謀術数にたけた医学部部長が滑稽な存在に思えてくる。原作では鵜飼は肥満。小沢は肥満ではないが、嫌味な感じを十分に出していたいように記憶している。
※ほんまに最低な医師を伊武が「伊武的」に演じているが、あまりにオーバーすぎて自分は今ひとつしっくりこない。国立大学の医学部部長ともなれば、付け届けの山の中で優雅な生活を送ってるのかと羨ましくなる。テレビを見た全国に数十人おる医学部部長の中で、「こんなことは絶対にありえない」と自信をもって否定できる人は何人いるのだろうか。(2004.02.07)
鵜飼夫人
■遊ばせ言葉に似合わぬ男のような太い声で、・・・・
■背の低い小肥りの体を伸び上がらせるようにし、・・・・
■魚の鰓のように張ったアゴを仰向け、・・・・
△ ? − △野川由美子
※旧作で誰が演じたか判明せず。それにしても「魚の鰓のように張ったアゴ」とはどんなアゴやねん。「背の低い小肥りの体」というから野川のイメージとは異なるが。
※ますます快調。えげつない嫌味と意味ありげな視線を周囲に送り続け、ぶさいくな奥さん連中の中で光り輝いておられますわ。白い化粧顔に赤い口紅の野川が登場すると、今回はどんな嫌味と婉曲な攻撃が出るのかと期待してしまう。(2004.02.07)
花森ケイ子
■あみだ池停留所近くの木造アパートに住んでいたが、のち長堀川沿いの新築マンション(心斎橋まで徒歩10分)に移転。その後、帝塚山四丁目の新築マンションへ。
■短髪の前髪をうるさそうにかきあげ、
■そういう時だけ、ケイ子の切れ長の眼に、かつで女子医大生であったらしい怜悧な輝きが漲った。
■長身で彫りの深い華やかな顔立ち
●太地喜和子 − ○黒木瞳
※これも個人的趣味で黒木にしとこ。「かつで女子医大生であったらしい怜悧な輝き」を太地より黒木に感じるからなあ。『白い巨塔』を観たあと、録画した『さとうきび畑の唄』の黒木を観たとき、何故か甘えた声で「五郎ちゃん」と物真似をしてしまった。
※やっぱり「黒木瞳」で正解やなあ。ねっとりとした影の女の雰囲気をよう出しとる。財前の嫁さんとの一騎打ちは原作にはないが、嫌味と皮肉に終始した若林とのシーンは面白かった。(2004.02.07)
佐々木よし江
■財前五郎は薄茶色の背広を着て、胸を反らせるように堂々とした姿勢で起ったが、佐々木よし江は、装をかまわぬ姿で肩をつぼめ、まるで被告のように顔を俯けていた。
■「原告、法廷での取り乱しは許しません、静粛に」 裁判長は、テーブルを叩いて制止した。延吏はよし江の腕に両手をかけ、もぎ剥がすように財前の胸元からよし江を引き離した。
■・・・・きつい債権の取り立てを行われてから、よし江のやつれは前にも増してひどく、肉の削げた首筋に、にわかに多くなった白髪がまといつき、見るからに痛々しい。
○中村玉緒 − ●かたせ梨乃
※「よし江のやつれは前にも増してひどく、肉の削げた首筋に、にわかに多くなった白髪がまといつき、見るからに痛々しい」で中村に決定。かたせはあまりに豊満で健康的なイメージがある。これから繰り広げられる法廷でのかたせの演技が楽しみ。
※段々「かたせ」でもええなあと思うようになってきた。中年女のしつこさと純粋さをよう出しとる。原作では夫から受け継いだ店は番頭にお金を持ち逃げされたりしてつぶれるが、新作でもあの弁当屋は風前の灯火ちゅう感じ。(2004.02.07)
佐々木庸平
○五十四歳。繊維卸業。
■中肉中背、胡麻塩頭の狭い額の下に、眼だけが商人らしい機敏さで動く佐々木庸平は、何時ものような腰の低さで診察室へ入って来たが、うしろに四十七、八の中年の婦人が付き添っていた。
■付き添いの妻が、佐々木庸平のうしろに廻って、上着を取り、ワイシャツのカフス・ボタンをはずしにかかった。佐々木庸平は、すべて妻にやらせたまま、ボタン一つはずそうともしなかったが、注射をした左腕の上腕部までワイシャツの袖がまくり上がった時、「あっ、痛っ、痛いやないか、もっと気をつけて按配上げんかいな」飛び上がるように大きな声で妻を怒鳴りつけた。
■庸平のように叩き上げの人間には、例え四週間ほどの間でも、人任せにしきれない我の強さがあった。
●谷幹一 − ○田山涼成
※原作では大阪船場の繊維卸業だが、新作では弁当屋の設定。新作の田山は大阪弁が上手そうで好感が持てた。
※田山はあまり大阪弁は上手くなかった。俺も嫁さんに佐々木庸平みたいにボロクソえらそうに言いたいわ。(2004.02.07)
佐々木庸一
■「けれど、その対質で、被告側に過失があったことを決定的に衝けなかったということではありませんか」 庸一は学生らしい理屈っぽさで云った。
○中島久之 − ●中村俊太
※新作でいまだ登場せず。
※新作の中村は、我らの青春スター中村雅俊と五十嵐純の息子らしい。いったいどっちに似たんや。あんだけの金髪にせんでもええやろ。目つきも悪いので印象がすこぶる悪い。旧作の中島は好青年風。真面目に働いて店を復活しようという印象。(2004.02.07)
関口弁護士
■・・・・、その後ろから四十二、三の痩せすぎで眼の鋭い顔が覗いた。
■少壮弁護士らしい正義感をもって引き受けた。
●児玉清 − ○上川隆也
※新作でいまだ登場せず。
※「大地の子」の頃よりえらい顔がでかなっとる。その分貫禄と迫力がついてきたので上川の勝ち。残念ながらパネルクイズでお馴染みの児玉演じる関口弁護士の想い出はひとつもない。是非とも旧作を見てみたい。(2004.02.07)
河野弁護士
○大阪弁護士会会長。
■いかにも遣り手そうな脂ぎった顔で云った。
■恰幅のいい大柄な体を揺すって笑い、・・・・
■・・・・、鼈甲縁の眼鏡の下から、・・・・
△北村和夫 − △ ?
※新作でいまだ登場せず。もしかしたら設定にないかも。
※完全に設定にないなあ。(2004.02.07)
国平弁護士
■・・・・と云いながら、自分の斜め向かいに坐っている齢は四十二、三歳の若さであるが、髭の剃りあとが青々とした顔に縁なし眼鏡をかけ、見るからに才気走った国平を値踏みするように眺め、・・・・
■・・・・、髭の剃りあとの青々としたいかにもきれ者らしい顔で、・・・・
△ ? − △及川光博
※新作でいまだ登場せず。旧作で誰が演じたか不明。
※冷徹な目線と無感情でいかにも頭の切れそうな弁論。相手の席に及川みたいな弁護士がおったら、なんか「もう負けてもた」みたいな感じになるかもしれん。今後の裁判の展開の中で、及川が追い込まれたときにどんな表情を見せるか楽しみ。(2004.02.07)
大河内教授
○鵜飼の前に医学部長をつとめた。自宅の最寄り駅は国鉄高槻駅。
■病理の大河内教授の部屋の前まで行くと、扉に『只今、入室許可』というプレートが掲げられていた。その裏には『只今、研究中につき入室禁止』という文字が書かれ、その方が掲っている時は、よほどの緊急の用件でない限り、面会できないことになっているのだった。いかにも気難し屋の基礎の著名教授という感じが、扉のプレートまで現れている。
■痩せて背が高く、鶴のような痩躯と尖った鷲鼻を持つ大河内教授の風貌は、見るからに気難しげな上に、学士院恩賜賞受賞の貫禄が加わり、容易に人を近づけない風格を備えていた。
■「いや、大河内教授はああいう人なんだよ。あの人は、始めから他人が仕組んだ人事に、たやすく乗ってくるような人ではなく、あくまで学識、業績、人物ともに兼ね備わった実力主義で選考する人なんだ。・・・・」
■大河内は、鶴のように長い首を伸ばして一座を見回し、・・・・
■大河内へ話を向けると、鷲鼻を仰向け、・・・・
■表通りから脇道へ入り込んだところに、板塀が反り、軒先の瓦がずり落ちそうになった大河内の家が見えた。学士院恩賜賞受賞の著名な学者の家とは見えぬ質素なたたずまいであった。門の古びたベルを押すと、・・・・
■・・・・は土間にたって玄関を見回した。上がり框の板の間は節だらけで反り、続きの畳も褐色に焼け、殺風景な寒々しさであった。
■「・・・・、新聞社の医学記者や、医事評論家など、客観的な立場から観ている人に二、三当たってみましたが、異口同音、大河内教授は稀にみる峻厳剛直、高潔孤高の士だということでした。・・・・」
●加藤嘉 − ○品川徹
※品川のエキセントリックさもいいが、今にも死にそうな加藤が研究に没頭している姿もいい。悩んだあげく「鶴のような痩躯と尖った鷲鼻を持つ」で品川に軍配。
※相変わらず法廷でもええ味出しとったなあ。最終話まであと7回あるが、最終話以外もう登場せんかもしれんなあ。(2004.02.07)
今津教授
○浪速大学医学部第二外科教授。東教授の力で助教授から教授になる。東派の参謀格。
■五十四歳にしては髪の薄い額の下に、温厚な笑いを見せ、・・・・
■今津はずんぐりとした体を乗り出して、・・・・
○井上孝雄 − ●山田明郷
※東、鵜飼、大河内以外の教授陣を誰が演じているかで、いかに旧作にすごいメンバーが出演しているかが分かる。知名度で決めたらいかんけど、新作のこの辺りの教授陣は初めてみる俳優ばかりだ。
野坂教授
○自宅の最寄り駅は南海本線諏訪ノ森駅。
■色の黒い角張った顎を突き出し、・・・・
■「・・・・、彼は財前君より三年だけ先輩で、自らも少壮教授を自負しているだけに、日頃から財前君のことはよく云わず、ライバル意識を持っているのですが、なかなか要領のいい遣り手で、鵜飼医学部長の覚えがめでたいものですから、・・・・」
■生垣に囲まれた百五十坪程の敷地に、赤い屋根瓦の洋風の建物が見え、手狭で古びた大河内の住まいとは、格段の相違があった。
○小松方正 − ●山上賢治
※同上。何を考えているか分からん野坂教授をあの小松が演じたなんて。全然記憶にないのでもう一度観てみたい。
葉山教授
○鵜飼派の参謀格。
■派手な格子縞のダブルを着込んだ産婦人科教授の葉山は、女のように白い顔に薄笑いをうかべ、・・・・
■・・・・、女のように色の白い顔に、一分の隙もない瀟洒な身装をしている葉山の姿を思いうかべ、葉山の心の中にある女性的な権勢欲を知った。
○戸浦六宏 − ●渡辺憲吉
※同上。「派手な格子縞のダブルを着込んだ」イメージが新作の渡辺にはない。かといって悪役専門の戸浦にあるわけではないが、なんといってもネームバリューで戸浦に軍配が上がる。
金井講師
○専門は東教授と同じ肺外科。佃の前に医局長をつとめた。
■痩せた背の高い体を湯槽につけ、手術中の汗とはねかえった血を流しながら、・・・・
■・・・・、背の高い痩せすぎな体に、地味な濃紺の背広を着て、・・・・
■奥まったボックスの方を見ると、金井助教授が、いかにも場違いな無骨さで坐っている姿が見え、その横で今朝、三重県から帰ってきたばかりの佃講師がしきりに何か喋っている。
●清水章吾 − ○奥田達士
※アイフルのCMでチワワを見つめているのが清水章吾。奥田の暗さと寡黙な雰囲気が金井のイメージにあいそう。
佃医局長
○親父は外科医院を経営。
■・・・・財前は、この出世欲の強い才気走った男に小出しに欲しがるものを与え、うまく操っていけば医局内工作は巧くやってのけられると思った。
■二年前まで医局長で、教授選の時、財前のために献身的に奔走した論功で講師に格上げされた佃が、横柄な口のきき方をした。(中略)それだけに上への気配りは行き届きすぎるほど届くのに反し、若い局員たちへのいたわりは乏しい。
○河原崎長一郎 − ●片岡孝太郎
※あまりに片岡が軽薄すぎる。河原崎もええ勝負やけど。
※ほんまに片岡は軽い。もう少し落ち着かないと。新作特有の滑稽パターンのひとりなのかも。(2004.02.07)
柳原弘
■小柄で見栄えのしない受持医は、さらに体を小さくして頭をうなだれた。
■色の黒い小柄な見栄えのせぬ容貌の中で、眼鏡の下の眼だけが聡明に光っていた。
■よれよれの皺だらけの白衣の下から、汚れたワイシャツの衿が覗き、脂じんだ古いセルロイド縁の眼鏡をかけ、見るからに地方出身の苦学力行の秀才という風貌であった。
■地方の高校から苦学力行して、国立大学の医学部を卒業し、割のいい私立病院の勤務医に就職せず、敢えて無給助手として大学に残り、診療所の宿直医などの苦しいアルバイトを続け、入局して六年目にやっとなれた有給助手のポストを、・・・・
■柳原は、脂汗で滑り落ちそうになるセルロイド縁の眼鏡をずり上げながら、やっとの思いで云った。
■(財前は)自分の肩ぐらいまでしかない貧相な柳原を、じろりと見やりながら、・・・・
■庸一は信号を渡り損ねたのか、追いついて来なかったが、人通りを泥棒のように逃げ、隠れる自分の惨めな姿を思うと、歩きながら柳原の眼から涙が溢れ出た。
○高橋長英 − ●伊藤英明
※伊藤も悪くはないが、あまりに高橋長英の迫真の演技が目に焼き付いているのでこれは仕方がない。同じ場面を伊藤がどう演じるか楽しみ
※「あまりにもイメージが違う」と伊藤が主演した『天体観測』を熱心に見ていた息子等が言う。頼りなげで悩んで悩み続けている伊藤の演技は、裁判所での証言の場面で真価が問われる。それを見るまではやっぱり高橋の迫真の演技に軍配が上がる。(2004.02.07)
亀山君子
■夕食の仕度をしているらしく、油ものをいためる匂いがし、アッパッパのようなワンピースを着た女が顔を出した。
●松本典子 − ○西田尚美
※重要なカギを握る看護婦。新作では今のところちょい役なので甲乙付けがたい。旧作の松本の印象が全くないので新作に軍配。
※新作では柳原と亀山が包容するシーンがあったが原作にはない。原作では、財前が教授になった直後に財前が醸し出す医局の雰囲気を嫌って病院を退職。粗野なダンナと結婚して阪神尼崎駅の南の雑然とした住宅街に住んでいる。裁判の時は妊娠中。(2004.02.07)
岩田重吉
○北区医師会会長(原作)。副会長は財前又一。浪速大学医学部出身。同窓会の役員。
■名前に似合わず痩せすぎの小柄な体をした六十そこそこの年配の医者であった。金縁眼鏡の下から、ちらりと財前五郎の方を見、会釈もせずに、又一の横へ坐った。
■金縁眼鏡の下から細い目を光らせて云った。
■小柄な体を揺すり、笛を鳴らすような奇妙な声で笑った。
○金子信雄 − ●曽我廼家文童
※大阪弁をしゃべる数少ない出演者の文童に軍配を上げたかったが、ネチネチとした金子の演技が目に焼き付いているのでこれまた仕方がない。
真鍋貫治
○浪速大学医学部出身。同窓会の顔役。市会議員。上本町六丁目の鍋島外科病院
■派手なストライプのダブルを、りゅうと着込み、口髭を生やした鍋島貫治は、どうみても五十過ぎの脂ぎった実業家というタイプであった。
■金目のかかった派手なダブルを着込み、胸ポケットに色もののハンカチを覗かせ、・・・・
△渡辺文雄 − △ ?
※新作でいまだ登場せず。もしかしたら設定にないかも。
菊川教授
○金沢大学医学部教授。東都大学医学部出身。自宅は金沢市上百々女木町三丁目。
■内向的で社交性が乏しく、周囲との協調性には欠けますが、一つのものごとに対する忍耐強さと誠実さは、ちょっと他に類をみないほどであります。
■なお菊川教授は、この二週間前に細君を亡くし、子供もなく男やもめになったので、生来の内向的な性格に加えて、やや陰気になっているかもしれないことを・・・・
■とつとつとした抑揚の乏しい話し方であったが、学問に対するひたむきな熱意と、真摯な姿勢が滲み出ていた。東は、そうした菊川の飾り気のない、いかにも医学者らしい姿に接し、・・・・
■頬のこけた陰鬱そうな顔の中で、眼だけが鋭く澄み、寡黙の人らしく、おっとりと口を噤んでいた。・・・・
■菊川は、今になって自分の優柔不断を悔やんだ。
○米倉斉加年 − ●沢村一樹
※確かに「頬のこけた陰鬱そうな顔」であるが、あまりに沢村が背が高くてオシャレでカッコよすぎる。財前の唐沢よりカッコええやないか。やっぱり学究肌でとつとつとした雰囲気は米倉に軍配が上がる。
※新作での沢村の存在感を考慮すると、菊川教授はもう一度登場すると見た。おそらく患者側にたった証人として。原作では教授選に敗れたあとは登場することはないが。(2004.02.07)
船尾教授
○東都大学医学部。菊川の恩師。
■五十一歳にしては、老けを感じる落ち着いた顔の中で、活動家らしくよく動く眼を光らせ、上半身をやや反りかえらせるようにして話す姿は、国立東都大学の教授としての尊大な自信に満ちている。
○佐分利信 − ●中原丈雄
※少ししか登場しない船尾の役を佐分利がやるとは。もう一度旧作を観てみたい。
昭和53年 6月 3日〜54年 1月 6日(全31回)
田宮二郎(財前五郎)生田悦子(財前杏子)曽我廼家明蝶(財前又一)中村伸郎(東貞蔵)東恵美子(東政子)島田陽子(東佐枝子)山本學(里見脩二)上村香子(里見三知代)岡田英次(里見清一)小沢栄太郎(医学部長・第一内科/鵜飼教授)加藤嘉(病理学/大河内教授)井上孝雄(第二外科/今津教授)小松方正(整形外科/野坂教授)戸浦六宏(産婦人科/葉山教授)清水章吾(第一外科/金井講師)河原崎長一郎(第一外科/佃医局長)高橋長英(第一外科/柳原弘)堀内正美(第一内科/谷山)金子信雄(浪速医師会会長/岩田重吉)渡辺文雄(真鍋外科病院長・市会議員/真鍋貫治)米倉斉加年(金沢大学医学部/菊川教授)佐分利信(東都大学医学部第二外科/船尾教授)中村玉緒(佐々木よし江)中島久之(佐々木庸一)谷幹一(佐々木庸平/安田太一)太地喜和子(花森ケイ子)松本典子(第一外科/亀山婦長)北林谷栄(山田うめ)北村和夫(河野正徳弁護士)児玉清(関口仁弁護士)

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